出発の日。
当初の予定では、現在の仕事のオフィスがある渋谷まで朝バイクで出社し、そのまま夜、会社から空港へ向かう予定でした。
渋谷から羽田空港までは約20キロ程度。
しかし、前日から東京は真冬にも関わらず雨天が続いていた為、朝のバイク移動は断念しました。
渋谷に1日バイク駐輪したとして800円。
自宅の最寄りのインターから首都高を使って羽田まで行ったとして900円。
料金的には100円の誤差のみという事もあり、業務終了後、1度帰宅してから首都高で羽田へ向かうという手段を選ぶことにしました。(そのおかげで、何か忘れ物が無いかを1日考える分の余裕もできました。)
--
夜22:00。
気温は5度を切っていたため、エンジンはなかなか暖まらず。
最近オイルの滲みも酷くなってきた、愛車に跨りザックの重みを感じながら出発。
暖気不十分な為か、交差点で止まるたびにエンストするようなカッコ悪い状態でしたが、高速に入る頃にはエンジンも十分に暖まり、フルスロットルでの走行が可能になりました。
しかし、首都高での羽田までの約40キロの道のり。
エンジンは暖まっても、手足の指先と顔は凍てつくような寒さで凍傷になるのでは無いかという思いが頭をめぐることになりました。
車の中でヒーターを焚いて、快適なドライブをしている人たちの横を走行する自分は、まるで売れ残りのマッチを抱えたまま、温かい暖炉の前で夕食を囲む親子をうらやましく思う、マッチ売りの少女のようでした。
生死のはざまを彷徨いながら、やっとの思いで羽田空港に到着した頃には、手足の感覚はほぼ無くなっていたと思います。
しかし、背中には総重量8キロ程のザックがあった為か、体の芯自体は冷え切ることなく、空港に入った瞬間汗ばむほどでした。
トイレで着替え、(羽田空港のトイレには着替える人の為の、土足厳禁の開閉式のステップがあります)チェックインカウンターでチェックイン。
手荷物以外の荷物を預け、セキュリティチェック後に出国手続きと一連の流れを踏み、ギネスで2013年ラストの国内での飲酒を済ませました。