2016年1月23日土曜日
長旅への出発
2015年4月24日。
GW直前という事もあり、職場は連休中の準備で慌ただしかった。
私は、いつも通りに仕事を行い、出発までの時間調整程度の残業をして職場からそのまま空港へ直行した。
帰宅途中のサラリーマンが多い中、京急線内は大きな荷物を持った人達もちらほら見かける。
品川駅を出発した電車は、京急蒲田駅まで混雑し、その後乗客はほとんどいなくなり、車内にいる人のほとんどが席に座れるほどになる。
もう、同じように何度この風景を見てきただろうか・・・。
羽田空港行きの電車は、天空橋駅を超えると一気に加速を始める。
天空橋から羽田空港国際線ターミナル駅までは、通常の駅間隔よりも少し距離があるからだ。
この瞬間、私の胸はいつも高鳴る。
このひと時が、旅の始まりを実感させてくれる瞬間なのだ。
やがて、加速した電車はスピードを落とし、空港駅に到着となる。
羽田空港の国内線ターミナルや成田空港の場合、電車で到着となると、フロアの最下階から出発ロビーまでエレベーターや長いエスカレーターでフロアを上がる事になる。
しかし、ここ羽田空港の国際線ターミナルは、京急線で来る場合も東京モノレールで来る場合も、駅のホームのあるフロアがそのまま出発ロビーと同じレベルのフロアになっているのだ。
又、到着ロビーの階からもそのまま駅ホームへの改札があり、移動の手間が省ける。
これも羽田空港発の国際線に乗る場合の醍醐味だと私は思っている。
私は、羽田空港国際線の利用は出発は夜しか経験が無い。
日中の空港内の雰囲気は知らないのだ。
夜の雰囲気は、人はたくさんいるのだが、慌ただしさは感じられなく、すごく落ち着いた空気を感じる。
大人の雰囲気とでもいった方がわかりやすいだろうか。
もちろん、子供連れのファミリーの姿もたくさん見かけるのだが・・・。
羽田空港国際線ビルには、出発フロアの上の階に「江戸小路」と呼ばれるレストラン街や土産物屋のフロアがある。
さらにその上にも数店土産物屋があり、屋外に出る事が可能な展望デッキがある。
しかし、深夜発の便の場合、どの土産物屋も22:00には閉店してしまう。
レストラン街についても23:00にはほとんどの店が閉店となってしまう。
中には深夜1時位までやっているレストランもあるようだが・・・。
今回の便は1:45出発の便。
4年半ほど前に開業した羽田空港のイミグレーションは、それほど込むという事は無い。
チケットカウンターにしてもウェブチェックインを済ませていれば、空いている荷物預けのカウンターに並ぶだけなので、出発の2時間前に空港に着いていれば問題無い。
という事もあり、空港に到着したのは23時をとうに過ぎた時間・・・。
どの店も閉店のシャッターが降りた状態だ。
出発階にはコンビニもあるのだが、ここも23:30には閉まるようで閉店の準備中のようだった。
歯磨きセットを持ってくるのを忘れていた事を思い出したので、閉店間際のコンビニで購入。
それとボールペンを1本購入した。
このボールペンは、入国審査カードを機内で書く際に必要となるものだ。
もし筆記用具が無くて、入国審査カードを機内で書く事が出来ない場合でもイミグレーションカウンターの前に用紙置き場と、ボールペンが置いてあるので問題は無い。
ただ、外国人用のイミグレーションカウンターは混雑しやすい。
特に深夜到着の便になると、そもそも入国審査官の人数が少なく、カウンターの列は長くなりやすい為、入国に時間がかかる事だろう。
少しでも早く列に並び、入国審査を済ませたいのであれば、機内での記入をお奨めする。
ただし、機内で入国審査カードが配られない便もあるので、その場合は諦めて到着後に入国審査カードへの記入を行う必要がある。
この場合もボールペンを持っていれば、入国審査カードを手にしたらすぐに列に並び、並んでいる間にパスポートを下敷きにして記入するという手もある。
どちらにしても筆記用具を携帯する事で時間短縮につながるのだ。
コンビニに立ち寄った後、機内預け荷物のカウンターに向かう。
チェックインは事前に済ませているので手続きはスムーズだ。
今回利用のキャセイパシフィック航空は、香港を代表する国最大の航空会社だ。
ウェブでの予約から、チェックインまでインターネット上で行う事ができ、iPhoneを持っていればWallet(旧PassBook)に対応しておりペーパーレスで搭乗する事が可能なのだ。
荷物を預けて、早速イミグレーションへ出国手続きを済ませに向かう。
まずは機内持ち込み荷物検査を行う。
今回はほとんどの物は預け荷物にしている為、荷物検査で引っかかる事は無くすぐに通り抜けられた。
荷物検査が終わったら、次は出国審査だ。
深夜であれば、時間的に日本のイミグレーションが混むことはまずない。
日本人用のパスポート所有者であれば、自動化ゲートを利用できるのだが、それに登録する為には手続きカウンターが開いている時間にイミグレーションに来る必要がある。
私はここ近年、年に3~4回はここを通るのだが、いつも深夜か早朝の便の為、カウンターが開いている所を見た事が無い。
並ぶことなくスマートに自動化ゲートを利用している旅行者は、私にとっては憧れの存在だった・・・。
出国手続きを済ませ、搭乗ゲートへ向かう。
深夜2時前の便なので、時間はまだたっぷりとあった。
仕事終わりという事もあり機内では寝て過ごす予定だ。
その為、この時間は軽く酒を飲んで出発時間を待つのが私の定番の過ごし方だ。
空港の夜景を見ながら飲むビール。
仕事終わりで且つ、これから起きる体験を前に飲むこの一杯は、最高の味であり至福の時を与えてくれる。
ここでは、充電期を持っていればスマートフォンなどの電子機器の充電が可能だ。
出発前最後のSNSのチェック等を行いながら出発まで過ごす・・・。
機内への搭乗手続き最終案内時刻となり、私は搭乗ゲート前の長蛇の列に並んでいた。
香港への出発便の搭乗者は、パスポートの色を見る限り日本人よりも外国人の方が多いようだ。
機内へと入り、狭い座席に体をねじ込ませる。
今回の便は、キャセイパシフィックの機材では無く、子会社である香港ドラゴン航空の機材だった。
日本から香港までの約4時間半、深夜だった為眠ってすごすごととなった・・・。
目が覚めたのは着陸の2時間位前だっただろうか。
2時間程度の睡眠だったが、この狭い空間での睡眠にも慣れたもので睡眠時間としては十分だ。
機内は照明を落としている為薄暗かった。
しかし、目が覚めて間もなく照明がつき始めた。
タイミング良く、朝食が出る時間になったようだ。
朝食を終えた頃には着陸態勢に入る時間になり、着陸までの間再び軽い眠りについていた。
着陸の揺れとエンジンブレーキの轟音で目が覚め、約1年ぶりとなる香港国際空港に到着となった。
香港の空港はバンコクのスワンナプーム国際空港と雰囲気が似ている。
しかし、私が海外の空港に降り立ったとき、まず一番最初に感じるのは視覚的な違いよりも、「匂い」の違いなのだ。
その為、明らかにバンコクとは違う匂いを感じ、香港という別の国に居る事を実感した。
以前は、バンコクへのフライトで香港を経由するときは、2つの違う航空会社のLCCを乗り継いでいた為、一度イミグレーションを抜けて香港に入国する必要があった。
今回は、日本でバンコクまでのキャセイパシフィック航空のチケットを既にWalletにて取得済みだ。
預け荷物の受け取り場所もバンコクなので、入国せずにそのままトランスファーカウンターから搭乗エリアへ移動することとなる。
カウンターを抜けた後は、そのまま搭乗ゲートまで向かった。
搭乗ゲート付近に着いたのは、AM6:00を過ぎた頃で、次のフライトまでは2時間程の時間だ。
香港国際空港ではフリーWifiが登録なしに利用できる為、ネットサーフィンをして過ごす。
しばらくは、そうやって過ごしていたのだが、すぐに飽きてしまった為、搭乗ゲート付近を少し歩いてみて回る事にした。
と、それもすぐに飽きてしまい、椅子に座ってぼーっと過ごす事にした。
8:00前になり、バンコクへの便の搭乗最終案内時刻になり、私は列に並んでいた。
日本からの出発と同じように狭い機内に体をねじ込みバンコクへの到着を待つ。
とはいっても、香港からバンコクのフライトは2時間半程度だ。
最初のフライトに比べると半分程の時間。
機内の軽食サービスを受けたり、入国カードを記入したりしている内に時間は過ぎて行き、フライトは一瞬の事のように感じるのであった。
私は、スワンナプーム国際空港に降り立った。
約5ヶ月弱ぶりの事だ。
そして、見た目は似ていてもバンコク独特のお香の匂いを放つ空港に「帰ってきた・・・」という感情を抱いていた。
前回の入国時と大きく違ったのは、イミグレーションの込み具合だった。
前回はイミグレーションを抜けるまで1時間程かかったので、降機後、急ぎ足でイミグレーションに向かった。
しかし、この時間だからなのか時期的なものなのかはわからなかったが、ほぼ並ぶことなく入国手続きを済ませる事ができた。
そのスムーズさはバゲッジクレームに荷物がまだ流れてくる前だったという事で物語っていた。
数分後、私の70リットルのバックパックと、日本で見た形状そのままの姿で再開する事ができた。
重たい荷物を背負い、税関先の到着フロアに入る。
到着フロアには、いくつかの両替カウンターとタクシー手配のカウンター、それに旅行者用のsimカード販売のカウンター等がある。
バーツの手持ちは、前回の旅行時の残りが移動費程度はあったので両替は不要だ。
空港で両替するよりも市内で両替した方が断然レートが良いからだ。
simカードについては、前回は旅行者用のsimカードを利用していた。
しかし、色々調べていると通常のプリペイドsimカードの方が通信量から考えると安く済むことがわかった為、購入しなかった。
それに空港のsimカードカウンターはいつも大行列で数十分待つ事もある。
バンコク市内の通信キャリアショップで購入すれば設定もやってもらえるので簡単なのだ。
という事で、空港での用は特に無い為、すぐにバンコク市内まで移動ができた。
空港から市内までは、場所にもよるが15~20キロ程度の距離だ。
大きい荷物があるのであれば、タクシーでの移動が楽だ。
タクシーで移動する場合は、到着階のタクシーに乗っても良いが、その場合は交渉制になるのでかなり高い金額を請求される。
タクシーに乗るのであれば、1階フロアまで下りてパブリックタクシーに乗るのが得策だろう。
ここでも時間帯によっては金額交渉を持ちかけてくるドライバーはいるのだが、きちんと断る姿勢を見せればメーターを使用してもらう事は可能だろう。
ちなみにパブリックタクシーはタクシー料金とは別に50バーツの空港利用料がかかるので、メーター料金にプラスして支払う。
恐らく、市内までのメーター料金が120~150バーツ位で、プラス50バーツと高速道路を使用した場合はその料金も必要だ。
深夜、交渉を余儀なくされた場合は、それを目安にどれ位その金額に近い料金で交渉できるかが肝となってくるだろう。
私は、ARL(エアーポート・レール・リンク)で移動する事にした。
マッカサンという駅までの移動は、35バーツで済むからだ。
常夏のバンコクで特に雨季直前の一番暑い時期だが、ARLの車内はクーラーが強めに効いているため寒いくらいだった。
空港から目的の駅までは、約20分程で到着した。
マッカサン駅は、ARLとMRT(地下鉄)のペッチャブリー駅への乗り換え駅となっている。
中心地のスクンビット通りまで移動する為には、一駅だけMRTに乗る必要がある。
ここでの乗り換え移動は、一度完全に屋外に出る為、バンコクの気温の高さをいっきに感じる時だ。
ペッチャブリー駅へ移動途中、高架橋から道路を見下ろすと、そこにはいつもの交通量の多いバンコク市内の風景が広がっていた・・・。
つづく・・・
※今回の旅は、エッセイ風な口調で書き始めてみましたが、次回以降は通常通りのプアトラベラーの備忘録に戻るかと思います(笑)
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